清酒
7世紀頃には米麹でお酒を造っていたと言われていますが、 15〜16世紀にかけて、現在に近い醸造法になったと言われています。
原料

お酒を造るために適したお米を酒造好適米と言います。有名なところで、山田錦、美山錦、五百万石、雄町等があります。
通常の米に比べ、大粒で中心に白色不透明部分が多くあり、麹も良いものが出来ます。しかし生産量が少なく高価なため、高級酒の原料に使われます。


清酒は鉄とマンガンを嫌い、それらは水道水より遥かに少ない数値の水が求められます。
硬水と軟水とで、質感が違うお酒ができると言われています。

副原料
清酒は基本的には米、米麹、水で造りますが、醸造用アルコールや醸造用糖類、調味料等を使用することもできます。
これらを使うことで安価に造ることもでき、また飲みやすい酒質になるため、普通酒とよばれる清酒には、これらが使用されています。


副原料を使わず、米、米麹、水だけを使っ たお酒を飲んでみましょう。
副原料を使わないお酒を純米酒と呼びますが、この後の製造工程の原料処理で説明しますが、精米歩合70%以下でないものは、「米だけの酒」という呼称にな ります。


製造工程
清酒は、原料処理から麹、酒母、醪、火入れ、 貯蔵、瓶詰等があります。

原料処理
原料になる米の外側には、お酒の質を悪くする蛋白質、脂質、ミネラル、ビタミン等の成分がたくさん含まれているので、精米によりそれらを除去します。
精米の度合は、精米歩合で表します。
ご飯として食べる場合は、90%ほどですが、お酒を造る場合は70%程度、吟醸酒になるとさらにそれ以下の精米歩合の米を使用します。
大吟醸 精米歩合50%以下
副原料は醸造用アルコールのみ可(ただし白米原料の10%以下)
吟醸酒 精米歩合60%以下
副原料は醸造用アルコールのみ可(ただし白米原料の10%以下)
純米酒 精米歩合70%以下
副原料は使用しない
本醸造 精米歩合70%以下
副原料は醸造用アルコールのみ可(ただし白米原料の10%以下)
フルーティーな香りのお酒を飲んでみませんか?
精米歩合の低いお酒を低温で発酵させると、果実のようないい香りが漂うお酒になります。
さらに副原料を使用しない純米吟醸や純米大吟醸となると、少々高価ではありますが、一度飲んだら、もう安いお酒は飲めなくなることでしょう。

麹、酒母、醪
蒸した米に黄麹菌を生やしたものが米麹で、酵素をたくさん含んでいます。
酒母や醪で酵素が働き、デンプンが分解されて糖分になります。

酒母は、醪の発酵に必要な酵母を得るために、蒸米と米麹と水で酵母を拡大培養したもので、「もと」と呼ばれます。この酵母の働きで、醪の糖分をアルコール に変えます。

醪は、酒母、麹、蒸米、水で造ります。
酒母に水と米麹、蒸米を3回に分けてくわえて、低温で約20日間発酵させます。
醸造用アルコールを使用する場合は、醪末期に加えます。甘口の酒を造る場合の糖類の添加も、醪末期に加えます。

火入れ、貯蔵、瓶詰
熟成した醪を圧搾機で搾り、清酒と粕に分けます。搾ったお酒を活性炭でろ過し、酵素の破壊と殺菌のため65度で加熱します。この工程を火入れと呼びます。
火入れされた清酒は貯蔵して熟成させ、ろ過後に加水してアルコール度数を調整し、さらに過熱殺菌をして瓶詰をします。


美味しい清酒はたくさんあります。好みに合わせて選びましょう。
たとえば火入れをせずに瓶詰されたお酒を「生酒」といい、フレッシュな味わいが楽しめます。低温で保存することはもちろんですが、購入後は、できるだけ早 めに飲んだほうがいいでしょう。一度にたくさん飲めない方は、出荷時にのみ火入れを行い、生酒に近い風味を持った「生貯蔵酒」がお勧めです。

最近加水後アルコール度数13〜14%程度のもがたくさんあります。清酒の場合は、一般的に、高くても15〜16%ほどです。
淡麗で飲みやすいお酒が好まれる昨今ですが、とにかく濃厚なお酒が飲みたいという方は、加水を行わない「原酒」がお勧めです。濃厚な味が楽しめます。一度この原酒にはまると、加水したお 酒はものたりなく感じることでしょう。
アルコール度数は20度程あるので、最近はロックで呑むという人もいるとか・・・・・。邪道と思われるかもしれませんが、楽しみ方は人それぞれでいいのではないでしょうか。



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