焼酎
紀元前3千年ごろには古代オリエントで蒸留技術が生まれたといわれています。
焼酎は、アルコール発酵させて得た、もろみ等を蒸留機にいれ加熱し、アルコール等の揮発成分を冷却濃縮して精製します。

日本で初めにできた焼酎は、15世紀ごろの沖縄と説が有力です。その後鹿児島等九州に伝わっていきます。

19世紀には蒸留技術が進歩し、それまでの単式蒸留機のほかに、連続蒸留機が登場します。これを使うことで、蒸留を繰り返すのと同じ効果を得られ、純粋なアルコールにちかい焼酎を作ることができるようになりました。


焼酎は、酒税法上、焼酎甲類焼酎乙類とに区分されています。

アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、下の条件で分けられています。
○焼酎甲類
連続蒸留機で蒸留しアルコール分36度未満
○焼酎乙類
単式蒸留器で蒸留しアルコール分45度以下のもので、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、ジン等に該当しないもの


Q なぜ甲類のアルコール分は低く設定されているのか?
A スピリッツ類のウォッカと区別するため(似たような味ってことです)

Q 本格焼酎ってなに?
A 昭和40年代の中ごろから、焼酎乙類を本格焼酎と表示することが認められました(つまり焼酎乙類のことです)

甲類と乙類を混ぜた製品もありますが、どちらかの混和割合が5%以上のものは「焼酎甲類・乙類混和」または「ホワイトリカー@A混和」と表示することが義務付けられています。


本格焼酎の造り方
蒸した米や大麦に麹菌を繁殖させて麹を造ります。
麹と水に酵母や種もろみを加え一次もろみを仕込みます。
一週間後に主原料と水を加え二次もろみを仕込みます。
二週間程度でアルコール分15〜20%となり醗酵が終了した時点で蒸留します。
蒸留して、アルコール分36〜40%の原酒が得られます。
蒸留方法には常圧蒸留と減圧蒸留があり、常圧蒸留では濃い味の焼酎ができ、減圧蒸留では軽い飲み口の焼酎ができます。


泡盛
黒麹菌を使用することや、カメに貯蔵して古酒とすることが多いのが特徴です。
主な産地である沖縄では、タイ国産のインディカ米を使用します。

焼酎甲類の造り方
製糖国から糖蜜を原料とした88%程度の粗留アルコールを輸入し、これを連続蒸留機でさらに蒸留し96%程度の原料用アルコール得ます。
この原料用アルコールを水で希釈して造ります。

いろいろな本格焼酎
米焼酎
米を主原料とした製品で、熊本県人吉地方の球磨焼酎が代表的です。
いも焼酎
さつま芋を主原料とした製品で、ほのかに甘い香りがあります。
主な産地は鹿児島県と宮崎県南部ですが、伊豆諸島でもわずかに生産されています。
麦焼酎
大麦を主原料とした製品で、長崎県壱岐島の特産品でしたが、現在では大分県が有名です。
そば焼酎
そばを主原料とした製品で、宮崎県高千穂地方が有名です。原料由来の香りが特徴です。
黒糖焼酎
黒糖を主原料とした製品で、同じ原料であるラム酒との関係から、伝統的産地である鹿児島県の奄美諸島だけで生産が認められています。ラム酒に似た甘い香りが特徴です。
泡盛
沖縄県の伝統的特産品です。黒麹菌で造った米麹のみを原料とし、長期間貯蔵して古酒として出荷されることがあります。
アルコール度数も30度程度あるものが多く、古酒になると40度前後の製品も多く見られます。
その他
馬鈴薯、山芋、栗、ゴマ等様々な原料を使用したものがあります。
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